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第1回ゲームミュージックコンポーザー座談会

English version is here."Original Sound Version (www.originalsoundversion.com)"

質問6「参加者一同へ質問です。欧米のゲーム音楽をどう思いますか?また、欧米市場を意識したゲーム作りが徐々に増えるなか、ゲーム音楽作りに変化はありますか?」
      (
埼玉県 yasuokuさん)

「結局、予算の差?」

光吉:欧米って海外のってことですかね。

坂本:いわゆる「洋ゲー」のことでしょうね。

細江:別に増えてないよね。

一同:(笑)

坂本:海外アーティストの曲を使ってるゲームのことを言ってるんですかね?

佐野:あとは、FPS系のゲームだと、超ハイバジェットなオケですよね。

いとう:ハリウッド映画みたいな、っていうオーダーも増えましたよね。

佐野:日本の業界的には羨ましい……。すごい大きい予算を使ってるところって、映画の作り方でケタ違いなんですよね。だから「どう思いますか」っていう質問の答えは「羨ましいです」と(笑)。

光吉:でも音楽的に欧米の曲って意識します? 僕は実はあんまりしないんですけど……。「ヘイロー」みたいな曲作んなきゃヤバイ!みたいな。

一同:ないですねぇ。

坂本:「FPSみたいな曲」っていうのはあるんですかね?

中村:「ギアーズ・オブ・ウォー」とか……。フルオケでやってるのは結構多いですね。

佐野:ハリウッドオケもの系は多いですよね。

中村:日本人の感覚からしたら、ゲームの音楽として特別面白いと思うものはないかな。映画で、聴いたことがあるような曲が多い。だからゲームとして必要かっていう。

光吉:例えば、さっき甲田さんの「モンハン」の忘れられないメロディみたいな曲が、洋ゲーで流れているかっていうと、僕らにはそういう記憶はないですね。雰囲気はすごくゴージャスだけど。

佐野:そうなると、「モンハン」のあの曲ってすごいですよね。

坂本:基本キャッチーなのに広がりがあって。

佐野:何か、「湿度」があるんですよね。湿ってるというか。僕、湿ってるオケものって好きなんですよ。ハリウッドオケものって乾いてません?

坂本:「湿ってる」ってどういうことですか?

佐野:えーっと、湿気がある……そのままですね(笑)。あのー、あるんですよ!何だろうなぁ、同じオケものでも曲調に湿度があるんですよ。

中村:「泣き」ですかね?

佐野:それも近いところがありますけど。いわゆるハリウッドオケって、カラッカラなんですよ。

庄司:感覚として合ってるかは分かんないですけど、俺はホラー映画が大好きで日本で作られた作品を良く見るんですね。それが海外リメイクになると、もうカラッカラなんですよ。

佐野:あー、近いですね! あとUSのロックとUKのロックって、UKのほうが湿度があるっぽいじゃないですか。そのノリに近いんですよ。

光吉:一緒ですね!

坂本:「哀愁」…でしょうかね?

佐野:何でしょうね。たぶん遺伝子レベルですかね。

坂本:ものすごい難しい話になってるじゃないですか!(笑)

佐野:ええ、今、色んな単語を言ってごまかそうとしてるんですけど(笑)、でもあるんですよね、湿度が。

中村:(欧米のゲーム音楽は)技術的にはスゴイし、持ってるノウハウとか、掛けてるお金とか全然規模が違ったりするんだけど、それだけじゃないっていう。

細江:要するに、質問の答え的には「変化はない」ってことだよね。

一同:(笑)

佐野:でも今、業界的には欧米市場を意識するのはしょうがないですよね。

中村:日本人的なものを突き詰めていくのか、欧米寄りになるのかっていうのは課題だと思いますね。

坂本:楽曲に関してはそうですけど、例えばサウンドエフェクトは日本と欧米で違う感じがするんですね。何でああいう音になるんですかね。

中村:決定音とか明らかに違いますね。不思議ですよね(笑)。

細江:アメリカとかって、SE作るのに戦車借りてやったりするからね。あとは銃の音にめちゃくちゃこだわる。

佐野:そこはカプコンさんもこだわりますよね。「バイオハザード5」の時は、退役軍人の人にあらゆる武器を持っている人がいるんですけど、その人に撃ってもらって音を録ったんですよね。

甲田:「デビルメイクライ」のときも、何百メートル置きとかにマイクを立てて、撃った後の音を拾ったり。あとは「グランドキャニオンだと多すぎるけど、モニュメント・バレーくらいの壁はほしいよね」みたいなことを言ったりして(笑)。

一同:規模デケェなー!!

佐野:だからホントにねぇ、早くバブルがもう1回来ないかなぁっていうのはありますね。

光吉:確かに!(笑) 今はその、お金的には冷えてるじゃないですか。その中でも我々が溜めているもの、やりたいのにできないことってたくさんあると思うんですよ。それが佐野さんが言ったみたいにバブルが来たら、大変なことになると思いますよ!

佐野:しかも、少なくとも今の若手よりも、我々の時代のほうがお金の使い方を知ってますから! そうなったらもう、欧米市場を意識しますよ!

一同:するんだ!(笑)

佐野:僕はバブル時代のチョイ下なんですよ。なんでバブルの話ばっかり聞いて育ってきたんで。だって光吉さんはバブル世代ですよね?

光吉:そうです。ゲーム業界のバブルとは若干ズレてるんですけど。

佐野:もう「ラーメン食いに行こうか?札幌まで!」っていう世界ですよね(笑)。そういう発想はバブル期を知らないとできないんで、今度バブルが来たらお任せください!ということで質問を下さった方、ぜひバブルを……。

坂本:えっーと、まともに答えられてるものが、あまりないんですけど……。

佐野:まあ、変化はあまりないですよ!

坂本:そ…そうですね! じゃあ次の質問を…。

結論!「変化はあまりないです。」

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質問7「『もう、これだけは勘弁して欲しい』という仕事って、ありますか?」
ビアンゾ さん)

「こんな仕事は困る」

佐野:あらら…今日は、この1問だけでも良かったですね(笑)。

坂本:これはたくさんありますよねぇ。ねぇ、みなさん!

佐野:いろいろありますよ、勘弁してほしいのは!

中村:ノーギャラの仕事は勘弁してほしい…。

坂本:それって仕事じゃないじゃないですか!

佐野:過去にあったんですか?

中村:ギャラの代わりに、別のものでやってほしい、みたいなことは。例えばプロモーションするから、とか…。

細江:あとは倒産したり…。

佐野:「これだけは勘弁してほしい」答えが、倒産!?(笑)

中村:それは本当に勘弁してほしい(笑)。

坂本:あはははー!ちなみにお金に関係しないことで、何かあります?

中村:永遠に終わらない仕事!

光吉:「シェンムー」はそうだった…。いや厳密には商品になったんで終わってるんですけど、壮大過ぎて、本気で終わらないかも、と思った事はありました。

一同:(笑)

庄司:社内の一部では「公共事業」と呼ばれてました(笑)。

坂本:いとう君はどうですか?

いとう:無謀なオーダーがたまに来ることがあるじゃないですか。FM音源で声作ってくれみたいな。

坂本:クリエイターとしては、それはキツイね(笑)。

いとう:でも大枠で「勘弁してほしい」っていうのは、別に坂本さんに気を使ってるわけじゃないんですけど、そんなに無いかなっていう。

一同:(笑)

坂本:湯川君はどうですか? 「バドガールのコスプレの仕事はホントやめてほしい」とか。

湯川:いえ、ぎりぎり大丈夫です。

一同:(笑)

庄司:総括としてどうですか?

坂本:そうですねぇ。

佐野:光田さん的に今までで一番「勘弁して!」っていうのは?

光田:いや、あんまりないかな。でも毎回決まって、クライアントから割り当てられるサウンドのディレクターって、だいたい新人なんですよ。

佐野:あーー! そうですね。

光田:で、もうエクセルの使い方から教えなきゃならないんですよ。リストにも曲名だけ書いてあって、どこに使う曲なのかも書いてない。だからシナリオをもらって自分でエクセルで全部書いて「こういうエクセルを今度から頂けますか?」っていう。それで次、同じ会社でやると、そのエクセルが送られて来るんですよ。

一同:(笑)

坂本:光田さん自身が作ったリストが使い回されてるという。

光田:そういうのはちょっと勘弁かなぁっていうのはありますね(笑)。

佐野:そうですよね。だって、立派にエクセルとかワードを教える仕事ってあるじゃないですか。

光田:そうそう。だから僕が「アビバ」になってる(笑)。いや別にいいんですけどね。

坂本:そのウェイトが重いと困りますよね。

結論!「それぞれに色々とあるようです・・・。」

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質問8「小学生の時にクロノトリガーをプレイし、光田さんの曲を聴いた頃からゲーム音楽が好きになりました。「自分もこんなワクワクドキドキする曲や、泣ける悲しい曲を作りたい!」と感じ、ゲームサウンドに関する職に就きたいと思いました。そのために、今のうちにどういうことを勉強すれば良いのでしょうか。是非、教えて下さい。」
      (神奈川県 はごろも さん)

「映画を観てみては」

坂本:うおおおっ!光田さんご指名ですよ!まず、この職に就くにはどっから入ればいいかが、分からないっていうのがありますよね。専門学校から入るとか、直接メーカーやディベロッパーの面接を受けるかとか、うちみたいな会社に応募してみるとか、方法も色々ありますし。

佐野:でも、この中でゲームの音を作ろうと思って、若い頃に勉強してきた人っていないんですよね?

光吉:確かにいない(笑)

坂本:僕は勉強はしてないですけども、将来ゲームの音楽を作ろう!っていうのはかなり若い段階で決めてましたね。

光田:僕は今こうしてゲームでやってるって思わなかったですもん。音楽だけっていうのはちょっとつまらないと思ったんで、映像と音楽みたいなのが合わさったものができれば。それが映画でも何でもいいんですけど。そういうのをやりたいと思っていただけであって。

佐野:え、思ってたんですか、それ?

光田:映画が大好きだったんですよ。高校生の時にもう、やることがなくて(笑)。女の子と付き合うとかも全くなかったですし。

光吉:またまたぁ!

光田:いやいやほんとですよ。だから1人で帰ってもつまらないんですよ。それで映画をいつも借りてきて見てたんですよ。ヨーロッパからアメリカから何でも。日本のアニメとか全部見てました。

坂本:それがやっぱり、ゲーム音楽を作るうえで生きていると?

光吉:たぶん引き出し的にはありますよね。

光田:そうですね。サウンド的には体の中には入ってますね。

坂本:ゲーム音楽制作の勉強をするうえでは、ゲーム音楽以外にもそういう映画の音楽を聴いたほうが良いってことですかね?

光田:どうでしょうね。

佐野:それはでも、なろうと思って見てたわけじゃないですよね。要は自分の居所みたいな。ちなみに、そのときに印象に残った映画ってありますか?

光田:「8 1/2」とか「シャレード」とか、昔の映画ですよ。

佐野:ええ!? すごいの見てますね。「シャレード」!? 話だけ聞いたら、ものすごい年上の女性と付き合ってるんじゃないかと思いますね(笑)。なんか映画以外の世界が全くなかったような。

光田:なかったんです(笑)。

佐野:でも、そういった雰囲気の曲を書きたいっていうのはあります? 例えば「シャレード」みたいな曲をオファーされたら。

光田:すぐやります!

佐野:(笑)えー、そういうわけでですね、ゲーム業界の皆さん!プロキオン・スタジオさんに「シャレード」みたいな曲の発注をください!

庄司:いいキーワードになりましたね(笑)。

佐野:僕からは「新幹線大爆破」をぜひ、見てくださいと! 高倉健さん主演の、非常に良い映画です。

坂本:それも役立つ映画ですか?

佐野:役立ちますね。まったく音楽がどこで出てきたか覚えてないんですけど(笑)。でも、「映画を見る」っていうのは、言いやすいアドバイスですよね。

光田:センスはたぶん磨かれると思いますよ。曲をどのタイミングで入れるとか。

佐野:ゲームと同じく、画と音が一緒になってるメディアですからね。

坂本:聴くだけで大丈夫ですか? 例えばそれを耳コピして作ってみるとか…。

光田:注目してるだけで、結構違うと思うんですけどね。

中村:ゲーム音楽を作ってる方って、映画音楽に詳しい方が多いですよね。結論は「映画を見とけ!」と。

佐野:そうですね。聴いておくと皆と話が合います(笑)。大事ですよ、話が合うのは!でも、この人は光田さんに聞いてるわけだから「シャレードを見てください!」になりますね(笑)。

光田:「シャレード」か「鉄道員」のどっちかを(笑)。

結論!「映画を観てみては?光田さんおすすめは『シャレード』と『鉄道員』!」

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質問9「作成したサウンドが以前作成したものや他の方のサウンドとどこか似ていると気付いた場合はどうするのですか?」(群馬県 鹿山晃弘さん)

「似てたらボツ?それとも似ててもOK?」

坂本:どうでしょう?

中村:…どうしようもない…んじゃないですか?(笑)

佐野:すでに作品を世に出しちゃった場合ですかね?

坂本:例えば、良いのができた!と思った曲が、「聞いたことあるやつだったな」みたいなことだと思います。

いとう:これを、徹底的に防ぐために、坂本さんは自分の曲を常に聴いてるんですよね。

坂本:うん、それもある。

佐野:マジですか?無駄ですよ、そんなの。今すぐやめたほうがいいですよ!

一同:(笑)

坂本:そ、それだけが目的じゃないですよ!自分の曲聴くのって凄く好きなんですよね~。

佐野:いいんですよ、似ちゃっても! もちろん、ほかの方の曲と似るのはアレですけど、自分のは全然いいと思いますけどね。

坂本:でも、自分ので、すでに商品になったやつが似てると「うわっ!」て思うんですよね。

佐野:その時って、逆に諦められません?だって出しちゃってるんですから。一番困るのは、「何か今回は早くできたなぁ…あれ、似てる?」みたいな(笑)。

坂本:ありますあります(笑)。

中村:今、iPhoneで便利なアプリあるじゃないですか。鼻歌歌えば検索してくれるやつ。僕は「このフレーズ、ちょっとベタ過ぎるかな」と思ったら、歌ってみて調べますよ。

いとう:似てたら直すんですか?

中村:似てたらボツですよね(笑)。

光吉:でも、アレンジによってはまた変わっていくよね。

中村:メロディラインが全く一緒だったらヤバイでしょ。

光吉:俺はアリだよ? アレンジが面白ければ。

一同:(笑)

坂本:それは自分から出たものか、思い出しちゃってやってるのかが分かんないっていうのもありますよね。

光吉:自分の曲は良いかなって思いますね。それも自分のオリジナリティと思えれば。

坂本:なるほど!自分の評価が一番大事だということですね

人それぞれのようです・・・。

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質問10「ご自身の携わった作品の中で、特に思い入れのある作品は何ですか?」東京都 神トライアングルさん)

「良い思い入れなのか、悪い思い入れなのか」

細江:どういう意味の「思い入れ」だろう?

佐野:「嫌な思い入れ」にしましょう。だって「良い思い入れ」の話をしたって面白くないでしょう(笑)。思い出すだけでもう、アレルギーが出るくらいのやつ!

坂本:絶対に言えないじゃないですか!(笑)ちょっと言いかえると、代表作と呼べるものを挙げてもらえるといいのかな?

光吉:僕は「デイトナ」と「シェンムー」ですね。「デイトナ」はポジティブに、「シェンムー」はネガティブに(笑)。でも「シェンムー」も最近になって、それほど悪くはなかったなぁと。大変だったんですけど、いまだに海外だと予想以上に反響が大きいんですよ。だから良いゲームだったんだなと思いますね。

坂本:続編の噂が常にささやかれるくらいの…。

光吉:「I hope so too」…僕も遊びたいです(笑)

庄司:プレイしたいんですか?

光吉:今ね、変わったんだよ。前は絶対にプレイしたくなかったんですよ。作っていた時の辛い思い出が蘇って来ちゃうんで。でも、時間が経ったら変わってきてですね。ちょっと大人になったのか、年をとったのか…。

庄司:時間が経てば、良くも悪くもすごいタイトルだったというのはありますね。

光吉:海外の反響で、とくにそれを感じたんだよね。

庄司:俺、今「龍が如く」っていうのを作ってるんですけども…。

光吉:いや知ってる知ってる。同じ会社じゃん(笑)。

一同:(笑)

庄司:モーションとボイスのマッチングとか目指したりとか、いろんな試行錯誤をすると、行き着くところってみんな「シェンムー」で既にやってる事だったりするんですよね。そういう先駆的な意味も強かったんだなっていうのはありますね。

中村:セガは早すぎるっていうね(笑)。僕はご両名と一緒ですね。

坂本:細江さんはどうですか?

細江:作ってるときはみんな、それなりに思い入れはありますけどね。

佐野:えぇ~っ(笑)。その中のひとつ挙げてください。

細江:「サイバースレッド」。(作曲に)ある程度時間があって、色々実験ができたんですよ。

佐野:はいはいはい! あの時代って細江さんの一番やりたいことが出てるんですよね。

光吉:「スターブレード」も細江さんですよね。

佐野:僕もたまにYou Tubeで見るんですけど、もう泣けてしょうがない!

光吉:あれカッコイイですよね。

細江:ROMの容量とセリフの容量がバランスが悪くて…。

佐野:曲が全然入らなかったんですよね。僕、一ファンだったんでベラベラ喋りますけど(笑)、最後はホント泣けますよね。

細江:ちょっと感動するよね。セリフをやってくれたのが、声優さんではなくナムコオブアメリカの偉い人で、ミスタースターブレードって茶化されてたそうです。その後退職されたそうで、レッドウッドの方に行っちゃったらしいです(笑)。

佐野:良い話ですね! 違う星に向かって旅立ったという(笑)。

坂本:光田さんは以前、「ゼノギアス」だと仰ってましたよね。

光田:良くも悪くも「ゼノギアス」でしょうね。

佐野:「悪く」はどんな……?

一同:(笑)

光田:やっぱり開発期間が長かったんで。実質2年くらいは関わったんじゃないですかね。モチベーションを保つのに大変でした。でもRPGって、だいたい最後のほうって重い曲が来るじゃないですか。ラスボスとかラスダンとか(笑)。当時は重かったですね。

佐野:てことは、2年ぐらい前に書いた曲と、一緒にいるってことですよね。

光田:そうなんです。だから、まだアイルランドの音楽が全然流行ってなくて、「タイタニック」も上映されてなかった時代の少し前に、アイルランド音楽風の歌を録ってきたんですね、「ゼノギアス」の。そのあと1年くらい開発があって、その間に「タイタニック」が出て、エンディングが流れた瞬間に「タイタニック」のサウンドに似てるって言われたんですよ。もう、ふざけんなって話で(笑)、サウンドトラックにレコーディングした日にちを書いたんですよ。「タイタニックが出る前に、録音終わってんだよ」と!

一同:(爆笑)

坂本:ち…小さい反抗ですね…。

佐野:何だろうなぁ、光田さんの、その…。

光田:若かったね~(笑)。

佐野:そう! 名前の大きさに比べて、ちっちゃい! まあでも分かりますね(笑)。

光田:いろんな意味で好きな作品なんですけどね。あと、終わった後に倒れちゃって、救急車に運ばれて。

一同:えぇ~~っ!

佐野:倒れるってどういう……。

光田:だんだんと、ディスプレイが歪んでくるんですよ。「あ、これはマズイかも…」と思った時は、もう呼吸しづらくなって、救急車を呼んだところまでは覚えてるんです。で、倒れてたらしいんですけど、丁度同じ時期に徹夜でウチのプログラマーが寝てたんですよ。その彼も顔色が悪そうだったんで、救急隊員が来て「大丈夫ですかっ!?」って、その寝てたプログラマーを運び出しそうになったっていう。

一同:(爆笑)

佐野:すべらない話だ、これ!

光田:担架で運ばれそうになったところで気づいて「何ですか!?」みたいな(笑)。

佐野:もう、完全に意識はなかったんですよね。

光田:なかったですね。気付いた時は病院のベッドの上で、点滴を打ってて。僕ね、作曲やり始めると食べなくなるんですよ、めんどくさくなって。

結論!「それぞれありますが、苦労した仕事はそれだけ思い入れも深いです。」

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質問11「好きな人に、自分が作った曲をプレゼントしたことはありますか?」
      (東京都 金髪のバドガールさん)

「作曲家だからできる素敵な贈り物」

坂本:うちの湯川からの質問です。これはみなさん経験ないですか? ラブソングを作ったりとか。

佐野:僕はよく、酔っぱらうと言うんですけど。「俺のリッジの曲好きなんだ? じゃああげるよ?」みたいな(笑)。

坂本:さ…佐野さん、えーっと、そういう軽いノリじゃなくてですね…。もっと良い話です(笑)。

庄司:正直、俺は1回だけありますよ。

一同:おおーっ!

庄司:学生の頃にバンドをやってたとき、ギター1本で。

光吉:それは想いを込めた歌に合わせて弾き語り?

庄司:はい、そんなノリです(笑)。

坂本:甲田さんはないですか?

佐野:甲田さんはありそうですよね(笑)。フルオケで!

甲田:いや…無いですね…(笑)。

坂本:中村さんは?

庄司:やってそうですよね。プロポーズのときとか。

光吉:意外とやってないんだよ。

中村:まあ、花束とかは……ね。

佐野:それ普通じゃん! そんな広げ方でも良いんですか!? それだったら僕、オープンハートってのが当時流行ってて。この記事を読んでらっしゃるキッズの方には分からいかもしれませんけど(笑)。

坂本:ティファニーですか?

:ちなみに坂本さんはないんですか?

坂本:ないですねぇ。

佐野:(端の方で見学していた坂本の奥方に向かって)奥様、どうですか?

奥方:でも付き合った当初に「君に曲を贈るよ」みたいなことは言われました。まだ頂いてないんで、きっとすごい大作なものだと思いますけど…。

坂本:やめろやめろ!言うなーっ!

一同:(爆笑)

中村:逆にそれが嬉しいかどうか聞きたいですよね。

光吉:歌詞に奥さんの名前が入ってるほうがいいですか?

奥方:それは嬉しいですよ~。

佐野:あのね、ラスベガスに雑貨屋さんみたいなのがあって、そこで「アナタの名前を必ず歌ってくれるCD」っていうのがあって。それが結構売れてたんですよ。

坂本:あります、あります!それ知ってます!

細江:中国は名前が少ないから、すぐに作れそうだよね。

佐野:え、中国って名前が少ないんですか?

坂本:み…みなさん!中国の姓がどうかとかそういうことじゃなくてですね、この質問はもっと夢がある話なんですよ!

佐野:今、これが商売になるかもしれないっていう…。

坂本:商売とか権利とか忘れてください! でですね、ここまでの質問は一般公募で、次からは僕が個人的に聞いてみたい質問に移りますね。

結論!「9人のコンポーザーのうち2人は経験あり!」

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『坂本英城からの質問コーナー』

質問12「1000万円あったら、何に使いますか?」

「何かを買うより、何かを作る」

佐野:1000万って微妙ですよねぇ。

細江:思いっきり使うには足りないし…。

佐野:坂本さんはどうします?

坂本:もちろん…ユニセフに募金ですかね。

一同:(笑)

佐野:絶対うそだー!

坂本:皆さん、好感度を上げましょうよ! 良い機会ですよ!! 実は佐野さんには、以前に同じ質問を聞いたことがあるんですよ。

いとう:あー、飲んでる時に何かそんな話をしたことありますね。その時、佐野さんは1000万を道端に置いて「ご自由にお持ちください」ていう札を立ててカメラを回して、人間がどういう行動をとるのか見たいって言ってましたよ。「超面白そうだ!」って(笑)。

佐野:…ちょっと病んでました? その時の僕(笑)。僕は今、1000万あったら花束を(笑)。

光吉:いまちなみに、例えばスタジオを作るとしたら、1000万円で作れるんですかね?

細江:作れない。

坂本:どれくらいの規模かにもよりますよね。

佐野:「1000万円、プラグインプレゼント!」とかだったら、ちょっと嬉しくありません?(笑)。あ、1000万円あったらプラグイン作る! プロキオンさんと一緒に、プラグイン作りますね。今、プロキオンさんが一番やりたいことは、プラグイン作ることですから。なので1000万があったら、プロキオンさんにください!

坂本:作品作りにあてるのは良いですね。

佐野:ソフト作るのは面白そうですね。坂本さんだったら、何ソフトがほしいですか?

坂本:僕ですか? うーん、何かやっぱり、困ってる人を助けるソフトですよね。

佐野:…何言ってんですか?(笑)。

坂本:好感度を上げないと…ってしつこいですね。すいません、思いつかなくて…。

光田:それで言うとね、なかなかねぇ、オートパンで良いものがないんですよね。

佐野:出た!出ました~オートパン!細江さん、あれソングバードでしたっけ。あのオートパンってホント良いですよね。

細江:良かったねぇ。

いとう:何が違うんですか?

佐野:何でしょう? あれ、でもオートパン自体が嬉しかったからかなぁ?(笑) 異常に興奮したのを覚えてるんですよ。

いとう:今の時代だったら、大概シーケンサーに付いてますよね。

佐野:ソングバードはハードウェアで。当時、そういうオートメーションとかがあまりできなかった頃の話ですよね。

坂本:何がそんなに違うんですかね。

佐野:時代的に、データとして打ち込むゲームの曲じゃなくて、オーディオレベルでやるもので、オートパンってできなかったじゃないですか。そのためだけのエフェクターだったんですよね。

細江:あと、逆相も入れられる。

佐野:そうそう。落ち着きのないMIXを作ったりしてました(笑)。

坂本:ということで、1000万円があったら「有益なプラグインを作る」ってことで。次の質問です。

結論!「有益なプラグインを作る」

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質問13「女性を見たとき、まずどこに目がいきますか?」

坂本:さぁ、いきますよ~!今日はみなさんの本性を暴いていきますよ~!

佐野:これは好みの女性なんですか?

坂本:いや、適当です(笑)。

いとう:こういう質問は、甲田さんに答えてもらって……。

佐野:良いですねー!

光吉:甲田さんのウィークポイントを知りたい!

庄司:伝道師だと聞き及んでおります。

甲田:女性を見て目がいくところ…「たたずまい」?

一同:(爆笑)

坂本:「たたずまい」って!

佐野:何、そのキーワード! 良いですねぇ!!

坂本:それはつまり、どういうことですか? フォルムとかですかね?

甲田:何でしょうね……。姿勢とか仕草が関係するかもしれませんね。

坂本:ものすごい、いろんなものを見てきた人の意見じゃないですか(笑)。あまり部分的には見ない感じですか?

甲田:いや、細かいことを言い出したら……ね(笑)。

庄司:分かる気がするんですけど、分からないです(笑)。

佐野:一般化しにくいですよね。

細江:足が見えないような気がする、とか。

佐野:えっ?何ですか?

中村:足がないってことですか?

細江:足が透けて見えるような、たたずまい。

坂本:えーと、わからないものにさらにわからないものがかぶさって、全然わかんないです。

一同:(笑)

佐野:平たく言うと「幽霊っぽい女性」ってことですか?(笑) まず、どこに目がいくかですよね。どこだろう?

光吉:ちなみに僕と中村は「胸」ですね。オッパイ星人なんで!

坂本:オッパイ星の秩父(チチブ)山ご出身なんですね。

中村:なんで人を巻き込む。

佐野:何オッパイの星人なんですか?

光吉:とにかく、巨乳ですよね。大きいほうがいい。

佐野:ものすごい大きい人っているじゃないですか。

光吉:「too much」はダメですね。

一同:(笑)

佐野:どのラインが「too much」ポイントなんですか?(笑)

光吉:えっと、どれくらいかなぁ……。F(エェフ)?

佐野:(英語の)発音が良すぎますよ!(笑)

光吉:いや、若い頃はそうだったんですけど…って、何でこんなエロ話になってるんですかね(笑)。最近は小さくても良いかなって思います。

一同:結局どっちなんですか!

中村:長澤まさみか、綾瀬はるかだったら…

光吉:いやいや、綾瀬はるかは、おっきいよ。って、何でこんな話になったんだ(笑)。

いとう:一般論で、長澤まさみはすごい巨乳なんですよ。で……(想像中)。

:何か想像してますけど!(笑)

光吉:いとうさんは巨乳好き!

佐野:100%エロオヤジ(笑)

坂本:庄司さんはどうですか?

庄司:髪の毛先と…。

光吉:マニアックだなぁ(笑)。枝毛か、枝毛じゃないかとかそういうこと?

庄司:はい。枝毛って結構、養分配分の目安になるじゃないですか。

佐野:それは、養分があったほうがいい?

庄司:そうです(笑)。

佐野:逆に「枝毛に萌える」って言われたら面白かったんですけどね。「俺が養分を与えてやる―!」見たいな(笑)。光田さんはどこに?

光田:いいですよ僕は!

庄司:世のファンはみんな知りたがってますよ。

光田:んー…唇は結構……。

坂本:それはどんな唇が?

光田:どちらかというと、薄いほうが好きなんですよね。

光吉:良いかもしれない!

佐野:(このコメントを見て)大丈夫かな、光田さんファンは!?(笑) でも、何で薄いほうが?

光田:唇が薄い人って幸が薄いって言うじゃないですか。

佐野:あー、幸が薄そうな人を……。

光田:守りたい! みたいな。

佐野:はいはいはい。うまくまとまりましたね(笑)。

庄司:俺の後輩に光田さんファンがいるんですけど、たぶん薄くしてきますよ(笑)。

結論!「全員ばらばらで会議は紛糾!」

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質問14「寝るときは、もちろんパジャマですよね?」

坂本:やはりね、みなさんくらいになると、寝るときはちゃんとパジャマに着替えて寝るんだろうなっていう。

光吉:ちなみに、素っ裸の人っていますか?

庄司:はい(挙手)。

一同:おおーいた!

佐野:え、全裸? 「絶対全裸」なんですか?

光吉:「絶対全裸」って(笑)。

佐野:いや、「結果全裸」はあるじゃないですか。何か、四字熟語みたいで良いですよね(笑)。例えば酔っぱらってて、風呂に入ろうと思って服を脱いで、そのまま寝ちゃうことってありますよね。それが僕の言う「結果全裸」なんですけど。そうじゃなくて、いつもキチンと全裸になって寝るんですよね?

庄司:部屋に戻ったら、まず全裸になるんです。

光吉:「ターミネーター」だねえ。

佐野:「ターミネーター」って! 分かりますけど(笑)。僕今度、全裸の話になったら、それ言おう! 「ターミネーターですねぇ」(笑)。

坂本:(佐野さんを見て)Tシャツ、短パンとかですか?

佐野:え、僕ですか? 僕の話はとくに面白くはないですよ。別に全裸とも言ってないですし…。

一同:(笑)

中村:風呂に入るまえから全裸なの?

庄司:はい、全裸ですね。基本、独身1人暮らしってことを前提にしてもらえると、分かりやすいかなと思うんですけど。

いとう:全裸で料理とかするんですか?

庄司:ありますね。ヤケドしちゃうこともあるんですけど(笑)。

坂本:どこがヤケドしちゃうんですか?

佐野:こんにゃくとか炒めちゃうと、大変なことになりますよね(笑)。

結論!「庄司英徳さんは寝るとき全裸!?」

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